2012年4月27日金曜日

初めての法人破産申立(15)

申立代理人が破産管財人に引き継ぐべき不動産に関する情報にはどのようなものがあるでしょうか。
この点パネラーの先生から破産会社の所有物件については、換価の可能性、担保権実行の有無・見込み、賃借人がいるか、物件の使用状況や占有状況等に関する情報は引き継いで欲しいという話がありました。
また、当該物件を任意売却する際には建物の設計図面や土地の測量図等を確保しておくべきという話もありました。
確かに、管財人として不動産の任意売却をしていると設計図面や間取図等は仲介業者や買受希望者から要求されることが多いので、申立代理人はこれらは確保した上で破産管財人に引き渡すように心がけると良いでしょう。
他方で、破産者が賃借している不動産については契約書の有無、解除の有無、敷金返還の有無等を調査した上で管財人に引き継ぐことになるでしょう。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年4月26日木曜日

初めての法人破産申立(14)

賃借物件を解除せずに、申し立てる必要がある場合、賃料の支払はどうすべきでしょうか。
この点パネラーの先生から、資金があれば払っても構わないが、なければ不払いの状態にせざる得ない。その場合には解除権を行使されないように早めに申立をすべきである。
早期に申立をしてその旨を賃貸人に連絡して、挨拶した上で、管財人が選任されることなど今後の見通しを丁寧に説明することが望まれるという話がありました。
私の経験からも事前に説明することで、賃貸人の態度が軟化して、柔軟な対応をしてくれることが少なくないので、このような申立代理人の対応は大切だと思いました。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年4月25日水曜日

初めての法人破産申立(13)

破産申立をする会社が第三者から倉庫や駐車場を借りている場合はどうすべきでしょうか。
倉庫に何もなければ賃料や財団債権の発生を防ぐために解除するのが原則です。
倉庫内に破産会社の所有物件や在庫商品などがある場合、駐車場に破産会社の所有する車両がある場合などは賃貸借契約は解除せずに管財人に処理を引き継ぐことが原則であるという話がありました。基本的にはそのとおりだと思います。
他方で、申立代理人も破産管財人の立場になったつもりで、可能であれば破産財団の負担を減らすことを考えて欲しいところです。
私が、申立代理人をした事案では第三者との駐車場契約を解除して車両を代表者の親族の敷地に移動させたり、賃借物件の倉庫内の在庫商品を本社内に移動させて、賃料の発生を防いだケースがあります。
全ての事案でできることではありませんが、発想としては持っておいて欲しいところです。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年4月24日火曜日

初めての法人破産申立(12)

破産会社に所有権留保されている物件がある場合はどうすべきでしょうか。
所有権留保売買の留保売主の権利は別除権であると考えるのが、実務上の一般的な考え方ですので、基本的な考え方はリース物件と同様です。
ところで、所有権留保されている物件としてよくあるのが車両です。
例えば、車両の売買契約で所有権留保がなされていても、車検証の所有者欄が留保売主の名義になっていなければ留保売主は破産管財人には対抗できません。
つまり、物件を返還を受けずに破産手続が開始されれば管財人には車両の返還を求めることはできません。
逆に車検証の所有者欄が留保売主名義になっていれば、破産管財人に対して別除権に基づいて物件の返還を求めることができます。
留保売主の債権額が物件の評価額を上回っていれば、管財人が財団の増殖を図ることは難しいので、申立時点で返却することを考えるべきでしょう。
私が最近管財人をした事件では車両(トラック)が所有権留保されていて、別除権を行使できる場合でしたが、留保売主の債権額を上回る金額で車両を購入したいという同業者からの申し入れもあったので、残代金相当額を支払って別除権の受け戻しを行い、売却をして破産財団を増殖させることができました。
物件の価値が高い場合は管財人に処理を委ねることを考えてください。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年4月23日月曜日

初めての法人破産申立(11)

破産申立をする会社にはリース物件がありますが、どのように対処すべきでしょうか。
まず、法人の代表者が全てのリース物件を把握しているとは限りませんので、代理人としては漏れているリース契約がないか確認する必要があります。
リース物件については契約を解除しなければリース料金が発生しますから、残務処理や管財業務に必要がなければ原則としてリース契約を解除した上で、物件を返還します。
例えば、リース物件がパソコンであり、中のデータが後の管財業務に必要な場合がありますので、そのような場合はバックアップを取ってから返還するようにしてください。
なお、私がかつて経験した事案では専用のパソコンとソフトを使っているため外部記憶装置へのバックアップができなかったり、データのバックアップが取れても、請求書の作成が当該パソコンやソフトがないとできないというケースもありました。このようなリース物件を使用した作業を破産手続開始決定後に管財人が行う必要がある場合はリース契約を継続する必要があるでしょう。

 (注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年4月20日金曜日

初めての法人破産申立(10)


破産申立する会社が、自己所有地に本社屋と倉庫を有しており、機械警備契約を締結していますが、この契約はどうすべきでしょうか。
高価品があるなど、必要があれば警備契約は継続することも考えますが、大きな視点としては申立までの残務処理に必要ない場合、管財人の視点に立ってみて、管財業務に不要なものは解除するのが原則なのは(8)で述べたとおりです。
警備契約を継続する場合の注意点としては、警備契約のシステムにもよりますが、一般的には電気や電話回線が必要となることが多いことです。
警備契約を継続する場合は、これらの契約も解除しないことです。
また、警備契約の継続の必要性はあるが料金が高い場合は契約内容の変更や会社自体の見直しも検討する余地があります。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年4月19日木曜日

建退共は差押禁止

小規模企業共済や中小企業退職金共済(中退共)が差押禁止であることは、いろんなところに書かれていますが(『破産管財実践マニュアル』231頁以下参照)、以外と知られていないところとして、建設業退職金共済(建退共)も差押禁止です。ですから、本来的自由財産となります。

建退共も中小企業退職金共済法に基づいているからですね。

建設業退職金共済事業本部のHPもご確認ください。

ちなみに、特定退職金共済は、差押禁止ではなさそうです。

ここからは、平成25年3月29日に追加。

特定退職金共済には、差押禁止規定はありませんので、差押禁止規定のある中退共とは異なり、本来的自由財産ではありませんが、退職金債権と同様に4分の3は差押禁止とみて、退職金見込額と同様に8分の1で評価することでよいと思います(なお、所得税法上も退職手当として取り扱われています。)。

初めての法人破産申立(9)

私が管財人をした法人破産事件で開始決定前に電気の供給契約が切られていたことがありました。
当初は管財業務に必要はないと思われましたが、大きな倉庫の中に機械や車両が残されており、それを搬出するために電動シャッターを動かすことができずに苦労しました。
その事件では東京電力と交渉して、スポット契約で1日だけ電気を通してもらうことで対応しました。

また、観光ホテルの破産管財人代理をした事件では電気の契約が解除されていませんでした。これはその方が良かったのですが、基本料金だけで月額100万円近い料金がかかることが判明して、びっくりしたことがあります。
その事件では基本料金を下げる契約に切り替えました。

このように経験を積むことで臨機応変な対応ができるようになりますし、管財事件の経験を申立にいかすことができます。皆さんも積極的に管財事件に取り組んで下さい。
(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年4月18日水曜日

初めての法人破産申立(8)

破産申立する会社には自己所有地上に本社屋と倉庫があります。本社や倉庫の電気、ガス、水道、電話、インターネットの契約はどうすべきでしょうか。
 継続的供給契約については無駄な費用や財産債権の発生を防ぐという観点から原則としては解除することを考えます。
 例外的に申立迄の残務処理に必要な場合、管財業務遂行に必要となる場合には解除しません。
管財業務に必要か否かは管財人の視点で考えることになります。
 管財人の経験がないと悩むところかもしれませんが、管財事件の申立では管財人の視点で考えることが不可欠です。この点は破産管財実践マニュアルを一読していただければと思います。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年4月17日火曜日

「裁判所」と「破産裁判所」

破産法には、「裁判所」という表記と、「破産裁判所」という表記の2種類があらわれます。

「裁判所」は、当該破産事件を担当する裁判体を指すのに対し、「破産裁判所」は、当該破産事件が係属している地方裁判所を意味します(破産法2条3項。「条解破産法」27頁)。

一般的な用語法としては、「破産裁判所」を上記の意味での「裁判所」と同様に用いることが多いのですが、法律上は区別されています。

役員責任の査定や破産債権の査定決定を行うのは「裁判所」(同178条1項)です。
これに対し、否認請求や否認の訴え(同173条2項)、否認決定に対する異議の訴え(同175条2項)、役員責任査定決定に対する異議の訴え(同180条2項)、破産債権の査定決定に対する異議の訴え(同126条2項)の管轄は、「破産裁判所」とされています。

もっとも、後者のうち、否認請求については、「破産裁判所」内の事件分配として、当該破産事件を担当する裁判体に配点するという運用が通常だと思われます。

2012年4月16日月曜日

和解許可による簡易分配で公租公課庁と和解書を交わさない理由

優先的破産債権である公租公課や労働債権までで配当原資が尽きる場合に、大阪地裁では和解許可による簡易分配が可能です(「新版破産管財手続の運用と書式」273頁、「破産管財実践マニュアル」375頁)。

この方式による場合、公租公課庁とは口頭の合意で足り、和解書の取り交わしまでは必要がないとされています。
これは、公租公課庁は、按分弁済自体には応諾していても、これを内容とする書面の取り交わしには応じてくれないからです。

ですから、公租公課庁が和解書の取り交わしに応じる場合にまで、管財人として作成を拒む必要は当然ありません。

初めての法人破産申立(7)



 では申立日を決めたとして、それまでのスケジュールをどのように考えるのでしょうか。
 債務者からは約束したスケジュールで必要書類が上がってくることは少ないので、とにかくできる限り短いサイクルで打ち合わせの日程を入れ続けることが大切であるという話がありました。
 債務者としては時間的に余裕をもった打ち合わせ日程を希望するが、安易にそれに応じてはならないという趣旨だと思いますが、私はなるほどと感心しました。
 どうしても間に合わない場合は当初の申立予定日を気にして、中途半端な申立はしないようにしてているという話もありました。
 中途半端な申立では管財人が初期段階で効果的な活動ができないし、不正確な財産目録や債権者一覧表を提出しては管財人に無用な調査の負担を課すことになるからです。
 原則はその通りだと思いますし、私も基本的にはそうしています。
 但し、開始決定を早急にもらう必要性がある事件では、申立や開始決定後のフォロー(修正した下資料や書面を随時追完する)をすることを前提に申立をしてしまうことがやむ得ない事件もあるでしょう。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年4月15日日曜日

破産申立ての時期と受任通知

石川さんが連載されている全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションをまとめた「初めての法人破産申立」の第6回で、法人の破産申立ての時期について触れられています。

最近、法人の破産申立ては受任後直ちに行うべきであって、受任通知を送ることは不適切である、という議論が見られます。
このテーゼは、ときには正しく、ときには正しくない、と考えています。
つまり、このテーゼを絶対化はできず、事案の性質ごとにあてはまる場合もあてはまらない場合もあるということです。

そもそも、破産申立ての依頼者は、破産しようとする法人やその代表者です。
依頼を受けた申立代理人としては、依頼者の利益を第一義に考えるべきです。

では、破産申立てにおける依頼者の利益とは何でしょうか。
それは、混乱を引き起こさずに債務を整理し、個人であれば免責を得て経済生活を再生すること、法人であれば円滑な清算を行うことでしょう。

そのためには、依頼者が倒産秩序に反する行為を行って免責が得られなくなったり、破産犯罪に問われたり、役員責任を追及されたりないようにする必要があります。
つまり、申立代理人としては、この文脈で、債権者平等を図り、破産財団の保全を図ることが必要だということです。
また、破産申立てに当たっては、回収が不可能となる破産債権者らに対して衝撃をあたえることになるわけですが、不用意な行動によって混乱を生じさせ、依頼者に物理的または心理的な負担をかけさせないことも重要です。

まず、債権者平等を図り、破産財団の保全を図るためには、偏頗弁済や財産の散逸を防ぐ必要があります。
依頼を受けた時点で通常の営業を続けている会社では、回収未了の売掛金や、在庫商品などが残っていることが普通です。
これら売掛金や在庫商品は、時の経過とともに換価が困難となり、価値が劣化していきますので、速やかに破産を申し立て、破産管財人に引き継いでこれらの換価作業に早期に着手してもらうことが肝要です。
そのためには、受任通知を送って債権調査票の提出を待つなどということは、単に不要であるだけでなく、上記のような取付け騒ぎのきっかけとなり、後に否認対象行為となる個別の権利行使を促すという悪影響をあたえるものといえるでしょう。
速やかに申立てをし、受任通知を送らないことは、混乱を避け、依頼者の物理的・心理的な負担を回避するためにも有用です。

しかし、全ての法人で早期の申立てをしなければ財産の散逸が生じるわけではありません。
中小事業者では、依頼の時点で既に営業を停止しており、散逸したり劣化するような財産が存在しないことも多くあります。
それだけでなく、専門の経理担当者などもおらず、帳簿も調製されていないため、債務や財産の把握に時間を要することも多いでしょう。
このような場合に徒に早期の申立てを行ったとしても、正確性を欠き、却って破産管財人の管財業務を混乱させてしまう可能性もあります。ある程度時間をかけてでも状況を整理し、破産管財人に引き継ぐ方が有用な事案もあるといえます。
また、大阪地裁などでは申立前に賃借物件の明渡しを行うことで、予納金を低廉に抑えることが可能です。特に中小事業者では申立費用の捻出に苦労することも少なくありません。依頼者のためには、少し時間を要しても、明渡しを先行させることが有益でしょう(もっとも、この点については近時硬直的な運用も見られるところですので、いずれこのブログで触れたいと思います。)。
さらに、会社の保証人となっている代表者自身も破産申立てを行う場合、法人の申立てと同時に行えば、予納金を低く済ませることができる裁判所があります(いわゆる法人併存型。大阪地裁など。)。その準備期間を要する場合もあるでしょう。
こういった事案では、受任通知を送付したとしても、延滞状況下で取付け騒ぎには至っていないのですから弊害は少なく、むしろ債権者に情報提供することができるとともに、債権者が依頼者に接触することを牽制する利点があります。


なお、受任通知については、発送が当然であって必ず行わなければならないと誤解されていることがあります。これは、個人の同時廃止の破産申立てを主に行っている方が陥りやすい誤解でしょう。
同時廃止では債権調査票の提出を義務づけられている裁判所が多いことと、貸金業者の激烈な取立てを止めなければならなかったという歴史的経緯から、個人の同時廃止申立てでは受任通知を送ることが必須となっているだけです。
管財の申立てで、帳簿等から破産債権の存否・額を確認できるのであれば債権調査票は不要ですし、取立てを止めなければならない事情がなければ受任通知自体も必要ではありません。



もういちどまとめますと、申立代理人としては、早期の申立てを行うことや受任通知の発送の要否は、依頼者の利益の観点から考えなければならず、倒産秩序の維持もその文脈での考慮であって、それ自体が自己目的化するわけではない、といえます。

2012年4月13日金曜日

駅弁その2


 突然ですが、破産管財実践マニュアルは大阪で生まれた本です。
 執筆者の1人である私は千葉県生まれで千葉県弁護士会に所属していますが、編集や執筆のための会議は全て大阪で行っているからです。
 野村さんや新宅さんから「偶には千葉でやりましょう!」という提案もありましたが、大阪行きは私の楽しみの1つなので、最後まで大阪に通い詰めました。
 会議を終えて、夕方過ぎに新大阪で駅弁とビール、おつまみを買って、東京行きののぞみに乗るのが戻るときの日課です。
 そのため新大阪駅では何度も駅弁を買っていますが、ここでの私のおすすめは「じゅうじゅう亭」です。ワイン風味のちょっと甘めの味付け牛肉が絶品です。
 普段の食生活は和風、魚系が好みですが、何故か新大阪では「じゅうじゅう亭」を買ってしまいます。
 なお、この「じゅうじゅう亭」はダウンタウンさんの番組で紹介されて一時はかなり人気があり品薄だったこともあるようです。

2012年4月12日木曜日

初めての法人破産申立(6)


自己破産の申立てを行うことを決めた場合申立日の設定についてはどのように考えたら良いでしょうか。
パネラーの先生から破産申立は支払不能の認定の問題があるので、事業停止後3日後をめどとして申立日を設定しているという話もありました。
事業停止から申立まで時間が空くと混乱が生じる可能性がある一方で、事業停止とほぼ同時に申し立てると計画倒産だと騒がれることも避けたいという意図だということです。
まだ、手形不渡処分をうけていないで、事業を継続している段階で受任して、準備を進める場合は参考になると思います。

また、手形を振り出していない会社は買掛金の決済ができないと予想される日を事業停止日として、その場合にも概ね事業停止日から3日後を申立予定日とすることが多いという話もされていました。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年4月9日月曜日

初めての法人破産申立(5)

パネルディスカッションでは「裁判所から見て、代理人がきちんと債務者に説明しておけば良かったと思われる事案がありましたか。」という質問がありました。
パネラーの裁判官からは破産手続は債務者が単に債務を整理するための手続きでは無く、債権者のための手続きであることについても代理人は目を配って欲しいという話がありました。
代表者の中には破産手続開始決定がなされると会社の財産の管理処分権は管財人が有することになるので、代表者は一切手を出せなくなることに対する理解が不十分な者もいるとのことです。
また、説明義務を果たそうとしない代表者が時々見受けられること、説明義務は単に説明すれば足りるのではなく、資料の提出等も含むこと、説明義務違反や虚偽説明については罰則があることも、代理人にはきちんと説明してもらいとの話もありました。
依頼者と代理人との間に信頼関係がないと事件処理が上手くいかないことも多いですから、ネガティヴな話ばかりもできませんが、やはり協力義務や説明義務がある点はきちんと説明しておくべきでしょう。

裁判官からはごく稀であるが、管財人の調査に協力しないばかりか、感情的な対立を引き起こす代理人もいるが、このような場合は進行についても大変苦慮するという話もありました。
こういう代理人は論外ですね。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年4月8日日曜日

そしてマウス

マウスはlogicool派です。
とっても使いやすいのですが、唯一の弱点がチャタリングが起こりやすいこと。

チャタリングとは、ボタンのスイッチが壊れて、意図しないところで複数回のクリックが発生してしまうことです。
普通は一番使う左クリック用のボタンで生じて、ドラッグドロップ中にファイルやフォルダを落っことしてしまったり(ファイル等が行方不明に…)、範囲選択がうまくできなくなったりします(キーボードでやればいいんですけれどもね)。

自宅のマウスがしばらく前から発症し、ChatteringCancelerというソフトで補正してきましたが、先週にはついにこれでも対応ができなくなりました。

保証期間(3年保証です)のはずなのですが、保証書が見つからないのと、行って帰ってで時間がかかることから、新しいマウスを買いました。

Performance Mouse M950Wireless Mouse G700で迷いましたが、多ボタンを捨てきれず、後者にしました。
amazonだと、昨日注文すると今日には到着するので、便利ですね。

いま、ポインタ移動速度やボタンの設定をほぼ終えました。
とても快適です。


あと、logicoolのマウスの設定ソフトであるSotPointの拡張といえば、uberOptionsでしたが、今回のには対応しているのかなぁ…

Excelの関数(曜日)

weekday関数
表示されるのは数字。
書式設定で、aaa

キーボード

文書を書くときにペンを使うのはメモ程度しかなく、ほぼ100%近くキーボードを通じてパソコンで起案しています。

そうすると、手に馴染むキーボードが欲しくなるわけですが、事務所では東プレのRealforceを使用しています。
いわずとしれた名機ですが、キーの重さや打鍵の感覚など、噂に違わぬ打ち心地です。

富士通のLibertouchも一時期使っていましたが、 Realforceの方が好みに合っています。


でも、自宅のキーボードは、初めてのDOS/V機のFM-V付属のキーボードを未だに使っています。
司法試験に合格する前の年に購入したので、15年は利用していることになります。

2012年4月7日土曜日

駅弁その1


東京駅の中に「銀の鈴」という待ち合わせスポットがありますが、そこには「GRANSTA」という駅ナカショップがあります。
色々な食材やお土産の他にお弁当も売っています。
私は東京駅でお弁当を買うときはたいていはここで購入しています。
おすすめは「eashion」のお弁当です。
なかでもおすすめはイベリコ豚を使ったお弁当です。
これはまいう~~~!です。
皆様も是非一度ご賞味ください。
なお、私が独断と偏見で選んでいますが、やらせは一切ありません。

2012年4月6日金曜日

破産者宛郵便物の転送(2)

破産者宛の郵便物が管財人に転送される期間はいつまででしょうか。

大阪地裁では、以前は開始決定から6か月として回送嘱託を行い、必要に応じて延長する扱いでした(「条解破産法」610頁)。
しかし、延長の通知が増加したこともあり、平成20年1月1日から、無期限の郵便回送嘱託を行い、事件終了時に回送取消の嘱託を行う運用に変更されました(「新版破産管財手続の運用と書式」99頁)。
このため、申立人が納付する郵券が80円分増えました。


これに対し、東京地裁では、法人については現在の大阪地裁の扱いと、個人については大阪地裁の過去の扱いと同様とされています(ただし、当初期間は財産状況報告集会まで。「破産管財の手引」125頁)。


なお、大阪地裁の運用では、事件終了後回送取消嘱託の到着までの間、郵便物の転送が続くことになります。
終了後も少しの間転送されることや、その転送された郵便物の引渡方法について、破産者と話をしておくことが必要です。
事件終了後は、転送郵便物を開披せず、破産者にそのまま引き渡します。

終了後かなりの期間が経っても転送が続く場合は、郵便局が間違っている可能性があります。
この場合、転送元の郵便局に確認し、以後誤った転送がなされないように注意を喚起します。
誤配された郵便物の扱いは、(1)で記載したとおりです。
特に、破産者宛の競売の特別送達などを受け取ってしまうと、手続上の問題が生じかねないので、注意が必要です。

初めての法人破産申立(4)


法人の自己破産の申立をする際に代表者から事情聴取することは誰でもすることですが、事案によっては事情聴取すべき対象者を広げる必要があります。
私は、会社の経理状況に通じた担当者にはできるだけ同席してもらうようにしています。
また、仕掛かり工事などがある場合は現場をよく知る担当者からの事情聴取も必要になってくると思います。

事件を受任する際には必ず委任契約書を作成してください。
たとえ、当該法人が顧問会社であっても委任契約書は作成すべきです。
着手金等の費用の説明をきちんとすることは当然ですが、予納金は裁判所が定めるものなので、代理人が想定していたよりも高くなる場合もありますので、そのような可能性も説明しておくと良いでしょう。
私は若い頃、個人の破産事件でしたが、同時廃止で申立をしたころ、免責調査型として管財事件とされたことがあります。管財事件になる可能性は説明していましたが、管財事件となった場合の予納金の金額を説明し忘れていて「予納金として20万円必要になりました。」と言って気まずい思いをした経験があります。
皆さんは私と同じような失敗をしないでください。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年4月5日木曜日

破産者宛郵便物の転送(1)

現行破産法81条1項は、郵便物の転送を任意化していますが、裁判所は例外なく転送嘱託をすることが通例です。

もっとも、破産裁判所や破産管財人からの郵便物は、転送対象から除外されています(「新版破産管財手続の運用と書式」402頁、「条解破産法」611頁)。

破産裁判所が破産者本人宛に書類を送付・送達することがありますが(破産法32条3項1号、136条1項など)、それが破産管財人に届いてしまうことがあります。これは、上記の除外にもかかわらず間違って転送されたものです。
破産者に代理人が就いていれば代理人に送付等されるのでこのような事象が発生することは少ないのですが、純粋な本人申立てや、債権者申立ての場合に起こりやすいといえるでしょう。

誤った転送がなされた場合、管財人は、送付等をやり直してもらうため、担当書記官に速やかに連絡する必要があります。


また、家族宛の郵便物が誤って管財人に転送されてくる場合もあります。
この場合は、郵便局に連絡し、間違った転送なので家族に配達するように伝え、郵便物を引き渡します。

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初めての法人破産申立(3)


では、再建型手続を諦めて、破産申立やむなしとなった場合に依頼者に予め説明しておくべきこととしてどのようなことがあるでしょうか。 


財産の隠匿や否認対象行為などをしないように注意しておくことは当然ですが、破産手続の流れや管財人が選任されること、管財人がどのようなことをするのか、それに対する協力が必要になることはきちんと説明しておくべきでしょう。

私が管財人をした事件で、債権者集会前に代表者から「債権者集会には出席しないといけないのですか?債権者集会ではどんなことを話せば良いのですか?債権者から質問されたら私が答えるのですか?」と言った質問を受けることがときどきあります。
これらは当然代理人が説明しておくべきことです。

申立代理人としては申立をすることに集中して、申立が終われば、役割が終わったかのように考えがちですが、代理人の役割はそこで終わるわけではありません。

たまに管財人として代理人に問合せをすると「そんなことは代表者に聞いてくれ」などと言われることがありますが、破産法40条1項2号には代理人にも管財人に対する説明義務があることを規定していますので、このような代理人の対応は適切でないことになります。


(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年4月4日水曜日

訂正

固定資産税・都市計画税に関するエントリー2題を昨日、一昨日と書いて自宅に帰ってみると、今年度分の納付書が…

大阪市の第1期の納期限は、5月1日と早いんですね。

東京都は7月2日(7月1日が日曜日のため)ですが、他の自治体では5月中のところが多いようです。

ということで、6月にならないと…という記事は誤りですので、訂正しました。
記憶だけで書くとダメだなぁ、と反省です。

2012年4月3日火曜日

近弁連の意見交換会

全倒ネットのMLでいつも案内している近弁連の意見交換会、正式名称は、「破産法等に関する近畿弁護士連合会管内各単位会との意見交換会」と長いので、いつもは略称で呼んでいます。

倒産事件激増期の平成15年1月30日に開催した「小規模管財事件等に関する近弁連管内各単位会との意見交換会」が第1回で、その後、2度名称を変え、今の意見交換会となっています。2か月に1回のペースで開催しています。

もう10年目に入ってますね。

私がずっと司会をしているのですが、運用が落ち着いたころには、数名と寂しい時期もありました。

再度テコ入れをし、最近は、福井も含め7単位会、ベテランから中堅、若手まで幅広く20名ほど集まる会になりました(前回は26名も集まっていただきました。ありがたいです。)。配付資料も充実させました。

破産、個人再生、通常再生、会社更生、私的整理と幅広い話題で、ざっくばらんに情報交換や意見交換をしています。

みんなが発言しやすい雰囲気になってきたようで、今後もこのまま続けて行きたいと思います。

弁護士であれば参加資格は特にありませんので、是非ご参加ください。

固定資産税・都市計画税の日割精算


1月から4月初旬ころまでに不動産の決済を行う場合、本年度の固定資産税額がまだわからず、納付もできないのが通常です。

前者については、固定資産評価額の評価替え以外の年であれば、前年度の税額を基準にして日割精算の基礎とすれば足ります。

しかし、評価替えは原則として3年に1度で、平成だと3で割り切れる年に評価替えがあります。
今年(平成24年)はちょうど固定資産評価額の評価替えの年ですので、納付時期だけでなく、日割精算の基準額についても気を配る必要があります。



前者の日割精算の基準となる税額をいくらとするかについては、

  1. 前年度の税額をもとに仮精算をしておき、今年度の税額がわかる時期以降に、改めて差額の精算をする
  2. 差額は無視して、前年度の税額を基準とする
という2つの方法があります。

1.は、厳密な金額で精算できるという利点があります。しかし、自治体によって時期が異なりますが、納付書や交付要求が来るまで換価が終了しないことになります。大阪市の場合、第1期の納期限が5月1日ですから、4月の上旬には納付書が届きますが、東京都のように7月1日が第1期の納期限のような自治体の場合には、納付書の到着はさらに遅くなります。
この方法による場合、買主との間で、売買契約書とは別に何らかの覚書を交わしておいた方がいいでしょう。
2.は、これと反対に金額の厳密性は失われますが、簡易・迅速に決済を完全に終えることができるという利点があります。


次に、後者の納付時期(付随して誰が納付するか)については、

  1. 交付要求が来るまで待って、管財人が納付する
  2. 売主負担分を買主に渡しておき、納付書が届いたら買主に交付して納付してもらう
という方法があります。

1.は、管財人が行うので確実なのですが、事件を早期に終結できないというデメリットがあります。
買主が信用できるのであれば、2.の方法でもいいでしょう。この場合の覚書の書式が、破産管財実践マニュアルの498頁にあります(書式集のページのNo.23にも掲載しています。)。
なお、2.の方法による場合、市役所等と相談して、納付書の送付先を買主とすることも可能です。



ところで、固定資産税の日割精算は、関西と関東で基準日が異なります。
関西方式は、基準日が4月1日ですので、3月31日までは前年度となります。金額が不明な日割精算が必要となるのは、4月1日から納付書が届くまでの間です。
これに対し、関東方式は、基準日が1月1日です。このため、1月1日以降納付書が届くまでの決済について、決済時には当該年度の固定資産税・都市計画税額がわからないということになります。

もっとも、4月1日を過ぎれば、固定資産評価額は確定し、固定資産税・都市計画税の額も決まります。
市町村等に電話すれば、固定資産税・都市計画税の額を教えてくれますし、交付要求や納付書も早めに受けることができます。

2012年4月2日月曜日

倒産処理と弁護士倫理

金融法務事情1942号(2012年3月25日号)1頁の巻頭OPINIONに、「倒産処理と弁護士倫理」と題して、日頃思っているところを書きました。

いつも言っていることを書いただけですが、ご一読いただけますと幸いです。何を思っているかわかっていただけると思いますので。

これを掲載していただいたのは弁護士14年目が終わろうとしていたときでしたが、この4月で弁護士15年目に入りました。

気が付けば15年目です。大阪地裁で小規模管財が導入されたのがちょうど10年前の平成14年で、最初の本となる『小規模管財の実務』(大阪弁護士協同組合)を作りました。弁護士5年目のときでした。私の原点ですね。

いろいろと思うところはありますが、まずは次の一歩!

今年度の固定資産税・都市計画税に要注意

開始決定後に今年の1月1日を迎え、その時点で財団に不動産がある場合、今年度の固定資産税・都市計画税は、破産法148条1項2号の優先性を有する財団債権となります。

ところが、この時期(4月上旬)にはまだ交付要求はきていません。
税額が確定して交付要求がなされるまでに、異時廃止としたり、配当手続に入る場合、今年度分の固定資産税・都市計画税を忘れないよう注意が必要です。

特に、前年度までは滞納がなく、交付要求がない場合には失念しやすいといえます。

初めての法人破産申立(2)


破産か、再生か、任意整理か、法的整理かの判断に際して考慮すべき事情としてはどのようなものがあるでしょうか。
まず、再建型でいけるのか、清算型にせざる得ないかの見極めが必要です。
本業での再建が可能か否かは、再建計画を描けるのかにかかってくると思います。
特に、免除益を消せるのか?資金繰りが維持できるか?あたりは重要な検討要素になるという発言がパネラーからありました。
免除益というのは、法人が有効な債務免除を受けると、会計上債務免除益を計上することとなり、これが法人税法上の益金となることです。
そのままでは法人税が発生してしまいます。
当然のことながら事業再生を行うような会社に法人税を支払う資金的な余裕はありません。
免除益の発生を防ぐためには損金の確保が重要となります。
この免除益は民事再生では特に大きな問題となります。詳しくは民事再生実践マニュアルの253頁以下を参照して下さい。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。