2012年6月30日土曜日

労働債権の立替払いと申立ての時期

未払いの労働債権に対しては、労働者健康福祉機構による立替払いをうけることができます。

ただし、立替の対象となる労働者は、破産申立てまたは労働基準監督署長への事実上の倒産の認定申請が行われた日の6か月前までに退職した者に限られます。

つまり、退職から破産申立て等までに6か月が経過してしまうと、立替払いを受けられなくなってしまうということです。

申立代理人としては、漫然と申立てが遅れてこのような事態が決して生じないよう、十分注意する必要があります。

また、やむを得ず申立てが遅れる場合で、未払いの労働債権を有する退職者がいるときは、退職者に対し、労働基準監督署長に事実上の倒産の認定申請を行うように促すことも必要です。

2012年6月29日金曜日

申立前の労働債権の弁済

法人や個人事業者の破産申立てを受任した場合、労働債権の処遇にも気をつけなければなりません。
未払いの労働債権がある場合で、申立費用や予納金を用意してさらに余裕があるときには、労働者の生活の維持のためにも、できるだけ申立前に未払い分を支払ってしまうことが望ましいとされています。

未払い労働債権全額を支払えるときは問題がありませんが、一部しか支払えない場合は、どの部分から支払うかに気をつける必要があります。

破産申立前の解雇は、予告解雇ではなく、即時解雇とすることが多いでしょう。
即時解雇の効力に疑義を残さないようにするためには、解雇予告手当から支払うことが望ましいでしょう。

これにより、結果的に労働者が受領することができる金員が増える可能性があります。
つまり、
多くの裁判所で優先的破産債権にとどまるとされ、かつ、労働者健康福祉機構による立替払いの対象とならない解雇予告手当が減少し、他方、財団債権や立替払いの対象となる未払いの給与・退職金が残ることになるからです。

2012年6月28日木曜日

初めての法人破産申立(54)

破産手続開始決定後に破産管財人が事業譲渡することもありえますが、この場合は管財人のもとで適正な売却手続がとられ、裁判所の許可も得ているので公正さが担保されていると考えられます。
また、事業譲渡に関しては、破産申立後、破産手続開始決定前に保全管理人を選任してもらい保全管理人が事業譲渡を行う方法もパネラーの先生から紹介されていました。
破産手続開始決定が出てしまうと、事業基盤になっている許認可が失われたり、ライセンス契約が解除されてしまう場合に使うことが考えられられるとのことです。
事業免許に関してよく本で紹介されているのが東京築地市場の仲卸業の事業権ですね(「破産・民事再生の実務[新版]上・」102頁)。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月27日水曜日

自由財産拡張基準における評価-退職金・敷金

大阪地裁では、自由財産拡張の対象となる財産について詳細な評価基準を定めています(新版破産管財手続の運用と書式」70頁以下)。


退職金は、原則として、開始決定の時点における退職金支給見込額(実際には、申立て時点の支給見込額。なお、支給見込額は自己都合基準で算定)の8分の1とされています。

これは、退職金のうち4分の3が差押禁止として(民事執行法152条)本来的自由財産であることに加え、将来の懲戒解雇の可能性から、対象金支給が確実とはいえないことを考慮し、差押禁止でない4分の1をさらに50%減価して8分の1と評価しているものです(同74頁)。

もっとも、定年間近であるなど、退職金支給が確実である場合には、50%の減価は行われず、支給見込額の4分の1と評価します。

なお、差押禁止部分である4分の3部分が、いわゆる99万円枠に影響を与えることはありません。


これに対し、破産者が居住する賃借物件の敷金については、明渡し費用実額を疎明してこれを控除することもできますが、一律にみなし明渡し費用として60万円を控除することも認められています(同74頁)。通常は、60万円の控除を用いることが多いでしょう。

これは、通常60万円程度は明渡し費用がかかると考えられることによるものですから、破産者による明渡しが近々予定されているとしても、退職金の評価と異なり、みなし明渡し費用を用いることができなくなることはありません。

2012年6月26日火曜日

労働債権の供託

破産管財実践マニュアルの288頁に、元従業員が行方不明などの場合に供託せざるをえない場合があると記載しています。

考えられるケースとしては、財団債権の弁済の場合のほか、優先的破産債権の債権届があったものの、配当までの間に行方不明となった場合が考えられます。

債権届前に行方不明になった場合は、財団債権部分については供託を実施しますが、優先的破産債権部分については配当の対象とならないことから、供託は行いません。

初めての法人破産申立(53)

破産申立前の事業譲渡が許されるのは、破産申立・開始決定を待っていては事業価値の劣化が急速に進んでしまい、かえって配当率が下がり、債権者に不利益が生じることが明らかであり、かつ譲渡先選定の手続が公正・公平であり、価格が適切である場合に限られることになる。
競争原理の働かない手続きで、特定の相手方に不相当に安い価格で譲渡して会社をカラにして破産申立をすると「計画倒産」ではないかという疑いもかけられることになるので注意が必要であるとの話もパネラーの先生からありました。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月25日月曜日

初めての法人破産申立(52)

第三者から破産会社の事業を買い受けたいとの申し入れをされた場合に申立代理人はどのように対応したら良いでしょうか。
この点パネラーの先生からは、破産申立前に事業譲渡する場合は、売却先選定手続の適正さや譲渡価格の相当性についてきちんと説明できるだけの資料を用意できないと、後日管財人から否認をされる可能性もあるし、債権者からクレームが出されることも考えられる。
(譲渡先を広く募り、入札やそれに近い形で)譲渡価格の適正さが推定されている場合は許容されると思われるが、現実問題として破産申立直前の時期にそのようなオープンな売却が行いことができる事案は極めてまれでしょうという話がありました。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月22日金曜日

初めての法人破産申立(51)

例えば、破産申立予定の法人が取引先から損害賠償請求をされていて、損害額を争っていたような場合、取引先の損害賠償請求訴訟は破産債権に関する訴訟として破産手続開始決定がなされると中断します(その後の処理については破産管財実践マニュアル86頁以下を参照してください)。
ところで、仮に破産手続開始決定前に敗訴すると有名義債権となり、後日管財人が債権調査で認めない旨の認否をする場合に足かせとなる可能性があります。
申立代理人としては、訴訟代理人も兼任しているのであれば開始決定前に不用意に敗訴判決をもらわないような配慮をしてほしいと思います。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月21日木曜日

初めての法人破産申立(50)

破産申立予定の会社に訴訟が係属している場合、訴訟はどうなるのでしょうか。
継続している訴訟については、破産手続開始決定により、中断する訴訟と中断しない訴訟があるので、その区別をする必要があります。詳しくは破産管財実践マニュアルの86頁以下を参照してください。
なお、破産手続開始決定がなされたことは、訴訟が係属している通常部は分からないことが普通です。そこで開始決定後に破産管財人が訴訟が中断する旨の上申書を通常部に提出することになりますが、破産申立の代理人が係属している訴訟の代理人も兼任しているのであれば、通常部に対するアナウンス(破産申立や開始決定がなされる予定であること)をしておくと良いでしょう。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月20日水曜日

初めての法人破産申立(49)

準自己破産申立をする場合で、代表者が行方不明(や死亡)の場合は特別代理人の選任が必要となります(準自己破産申立でも代表者がいる場合は不要)。
破産手続開始決定の送達の名宛人は法人の代表者ですし、不服申立手段(即時抗告等)の手続保証をする必要があるからです。
私が最近千葉地裁に申立をした事件(代表者死亡)では特別代理人の選任の申立書、特別代理人の先生の推薦書、推薦する先生の承諾書、裁判所に対する報酬請求権の放棄書を提出しました。特別代理人をお願いする先生にはこちらから若干の報酬を支払いました。
もっとも、取締役間で意見の対立が生じていない事件ではあえて特別代理人の選任まで求めない運用をしている裁判所もあるようです。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月19日火曜日

初めての法人破産申立(48)

法人の代表者が行方不明の場合に代表者の弟である(平)取締役が破産申立をすることができるのでしょうか。
法人が自己破産する場合、通常は取締役会を開いて決議を行い、代表者が申立をしますが、破産法19条1項2号の規定から弟さんは取締役としての地位に基づいて申立をすることができます。これを準自己破産といいます。
準自己破産の場合は自己破産と異なり、破産原因を疎明しなければならないことになっていますが(19条3項)、実務上は大きな違いはないと思います。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月18日月曜日

初めての法人破産申立(47)

否認対象行為に関連して、申立代理人に望むこととして、パネラーの裁判官からは、大半の否認対象行為は、難しい法律問題ではなく、代表者などの当事者自身も常識的にはやましいと感じていることが多いと思う。そういうやましい行為は避けること、万一行ってしまった場合は正直に申告するという態度が、債権者集会での紛糾を避け、速やかに破産手続を進行させることになり、個人の場合は免責許可を受けやすくなるなど、破産者自身の終局的な利益に繋がることをよく理解させてもらいたいという話しがありました。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月15日金曜日

延滞税・延滞金の減免申請

『破産管財実践マニュアル』332頁の最終行に、「自由裁量ではなく、覇束裁量です。」と書いた点、『国税通則法精解』平成22年改訂の681頁(私が持っている平成19年改訂では648頁)に「自由裁量を認める趣旨ではない。免除事由に該当すると判断された場合には、免除をすべきものである。」と説明されています。

かつて、裁判官が講師の管財研修で、レジュメに覇束裁量と書いてあったのをずっと拠り所にしていたのですが、出典はここでしたね。

なお、『破産管財実践マニュアル』の誤字ですが、332頁下から2行目と518頁本文1行目の「国通令26条の2第1項」は「国通令26条の2第1号」です。

初めての法人破産申立(46)

代表者が無断で特定の債権者に偏頗弁済をしてしまった場合に申立代理人としてはどうすべきでしょうか。
パネラーの先生からは、原則として、後に管財人から否認権を行使される可能性が高いことを伝えて、元に戻すように説得することになるが、交渉に時間がかかるようであれば、申立を行った上で、申立書や陳述書に偏頗弁済の事実や経緯を記載して、管財人に情報を引き継ぐという話がありました。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月14日木曜日

初めての法人破産申立(45)

代表者から義理があるのでどうしても返済したい債権者が1人いますと懇願された場合や今後の自分と家族の生活のために300万円は手元に残したまま申立をしたい懇願された場合に申立代理人はどのように対処すべきでしょうか。
パネラーの先生からはこのような偏頗弁済は後に否認されることになるので、代理人としては止めるように説得することになる。
財産を隠したまま申立をすることは破産犯罪に該当する可能性が高いことを伝えて思いとどまるように説得するという話しがありました。
これはその通りでしょう。むしろ代理人に相談せずに偏頗弁済や財産の隠匿を行ってしまうこともあるので、破産申立の場合は受任以降は当然として相談を受けたときから注意すべきです。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月13日水曜日

初めての法人破産申立(44)

破産申立をするに際して、従業員に対する説明で注意すべき点について、パネラーの先生からは、未払賃金(労働債権)について財団債権だから確実に支払われるかのような誤解を与えかねない説明をしているケースもあるが、破産財団が不足すれば、たとえ財団債権に該当する未払賃金(労働債権)であってもその全部を支払うことができない可能性もあるので、支払の可否や時期などについてあまり楽観的な話しはすべきでないという意見もありました。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月12日火曜日

初めての法人破産申立(43)

解雇する場合、従業員に対する説明は代理人が行うべきでしょうか。
パネラーの先生からは、破産に至った経緯とそれがやむ得ないことについての簡単な説明、今後の手続きの流れ、従業員の地位、未払賃金の法律上の取扱等については、代表者に全てを任せるのではなく、申立代理人としても立ち会い、補助的な説明をすることが望ましいという話がありました。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月11日月曜日

初めての法人破産申立(42)

従業員の解雇は破産申立前に行っておくべきでしょうか。
この点、パネラーの先生からは破産管財人が就任した時点で、離職票や源泉徴収票の作成、異動届や健康保険関係の処理、未記帳の帳簿の完成、売掛金回収の手伝い等の業務を元従業員に補助してもらう必要がある場合には、解雇予告だけをして開始決定後も一定期間雇用契約が残るようにしておくことも選択肢としてはありうる。仮に、解雇する場合でも、解雇後も必要な人材がアルバイトの形でもいいから管財人に協力してもらえるように考えておくべきであろうという話しがありました。
他方で、解雇予告もせずに管財人に解雇を任せてしまうことは財団債権が増えるので基本的には望ましくないという話がありました。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月8日金曜日

初めての法人破産申立(41)

申立前の動産類の処分については、パネラーの裁判官からは、申立代理人が関与して行うのであれば、それを破産手続に入ってから問題とすることはあまりないと思う。
特に、例えば食品など時間の経過とともに急速に価値が劣化するものは申立前に早急に処分する必要が高い、それ以外の在庫商品であっても、時間の経過とともに価値が下げっていくことから処分が可能なものは処分して良いのではないかという話がありました。
但し、後日債権者集会で債権者から処分した値段についてクレームが出ることもあり得るので、この点は相見積もりを取るなどして、疑念を持たれないようにすることが大切であるとの指摘もありました。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月7日木曜日

初めての法人破産申立(40)

申立前に動産類の処分を行うことについては、申立代理人は、原則として申立前に処分や回収等をしないで、早急に申立をして管財人に引き継いでもらいたいという意見もありました。
申立代理人による処分や回収は活動は、後日管財人が適正であったか検証が難しいし、仮に不適切であったり、管財人としてより適切な方法があったと考えても後戻りができないことを指摘されていました。
また、処分や回収行為を先行させることで申立が遅れることによりデメリットも指摘されていました。
緊急行為を行うことは否定しないが、申立代理人の第一の職務は、とにかく早急に申し立てることであることを考えて、行動してほしいという意見もありました。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月6日水曜日

初めての法人破産申立(39)

申立代理人のスタンスとして、なるべく現状凍結で管財人に引き渡すべきか、それとも管財人の負担軽減のために事前処理を行うべきかという点も話題になりました。
具体的には、コーディネータの先生から動産類の処分を申立段階で事前に行うことについてはどう考えるべきかとの質問がありました。
この点はパネラー間でも考え方の方向性は分かれました。
私は売却の値段と方法が適切であれば(そのことを説明できるのであれば)原則として事前に売却しても良いと考えています。
管財人の視点で考えれば、売却して現金で引き継いでもらうことが理想的だと思うからです。
また、申立費用が不足する場合には、それを工面するために売却をすることは「有用の資」として許されると思います。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月5日火曜日

初めての法人破産申立(38)

私も法人の最終の決算書には記載されているが、既に存在しない財産については申立書の資産目録(財産目録)には記載しないことが多いと思います。
ただ、例外が車両です。車両については現実に法人の占有管理下にないけれども誰かが乗り回していたり、乗り回す可能性があることがあります。その場合事故の可能性もありますし、自動車税の請求がなされることになるので、そのような事情が判明していれば財産目録に記載するようにしています。
逆に、名義変更済みであったり、廃車済みであれば申立書の財産目録には原則として記載しません。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月4日月曜日

初めての法人破産申立(37)


決算書には記載されているが、実際には存在しない財産があることが判明した場合はどのように処理すれば良いでしょうか。
機械や車両については決算書上には記載されているが、実際には存在していないことが良くあります。
パネラーの先生からは存在するものだけを資産目録に計上して、存在しないものついては何故現存しないのかの説明を陳述書でするようにしている。陳述書で説明しないと管財人が否認の可否を判断できないからだという話がありました。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。

2012年6月1日金曜日

初めての法人破産申立(36)


申立の準備段階で法人には在庫や原材料について正確なデータがないことが判明しました。この場合棚卸しなどをする必要はあるのでしょうか。
この点パネラーの先生から小売業や卸売業者等、それらが資産の中で中心的な価値を占める場合は、基本的には棚卸しを要求するが、例えば建設会社等、在庫や原材料の金額も僅かであれば棚卸しなどはせずに、代表者や会社関係者の主観的な評価に従って、概ね妥当と思われる金額を資産目録に計上するという話がありました。
価値の低い在庫や原材料を細かく種類毎に記載するのは負担も大きいので「在庫一式」「原材料等一式」という形で資産目録に記載すると良いでしょう。

(注)本件は平成24年2月4日に行われた全倒ネット関東地区研修会のパネルディスカッションのポイントをパネラーの1人である石川が個人的に理解したところをまとめたものです。なお、よくある法人破産の具体的事例を前提にディスカッションが行われています。